ハイ・テーブル

tatsuamano2009-05-10

ケンブリッジでも何ともいい気候の日々が続きます。ハイイロガンの子供もだいぶ大きくなってきました。自宅のすぐそばの緑地は川沿いということもあって、多くの人が「放課後」に寝そべったり、BBQしたりと、思い思いの形でくつろいでいます。
この緑地にいる人の数は、その日の天気と気温で大体説明がつくなと考えていたのですが、最近は天気がよく暖かい日でも人がまばらで不思議に思っていました。どうやら一年の中でも最大のイベント(?)、テストに向けて学生達は必死に勉強しているようです。10月以降、学期が始まったかと思えばすぐ休暇の繰り返しで、果たしてどのくらいの授業を受けていたのか謎なのですが、とにかく進学・卒業するための一大事のようです。

そんな中、研究室のロブの計らいで、クイーンズ・カレッジでのフォーマル・ディナーに招待してもらいました。
そもそもケンブリッジ大学におけるカレッジとは…なんて解説できるほどよく知らないのでウィキペディア見てください(笑)。
学部生や大学院生は31あるうちのいずれかのカレッジに所属していて、ハリーポッターが出てきそうな(?)寮に住んでいたり、飯を食いに行ったり、諸々の手続きをしたりと、学生生活の基盤になっているようです。
昼食時にも数ポンドで歴史的なダイニングルームでの昼食、いや雰囲気を味わえるので、研究室のメンバーが所属しているカレッジにいくつか連れて行ってもらったことはあるのですが、ディナーというのは初めてでした。
その上、ロブはクイーンズ・カレッジのOBということで、週に何度かあるフォーマル・ディナーに出向く際はガウンを着て他のフェロー(教員)と共にハイ・テーブルに迎えられます。ハイ・テーブルとは、ダイニングルームの前部に実際に一段高く設置されていて、その前に大学院生用のテーブル、学部生用のテーブル、とテーブルの位置がそのままカレッジ内の階層を反映している訳です。OBのゲストもOBと同等の扱いということで、極東小国の中流下層クラス出身としては行く前は少々気の引ける思いでした。
まぁしかし、結果から言えばそこまで恐縮せず楽しむことができました。
ディナーの前はシニア・コモンルームと呼ばれる立派な部屋でシェリー酒を(!?)。コモンルームもシニア、ジュニアなど名前によって入れる身分が異なっており、否が応でも階層を感じさせられます。
いざダイニングホールへ降りていくと、やはり正装した学生達がハイ・テーブルのゲストの着席を起立したまま待っていて、何だか恐縮。。。
運ばれてくる食事はフルコースですが、この全てにおいて完璧な雰囲気の中、その味は「あーやっちゃった〜」的な残念なもので。まぁそれもここの伝統の一部か、などともう何だか全て許容。ワインが一番うまかったです。。
こういう場所で出会った人、隣の席に座った人と、「さぁ、お話しましょう!」となる機会がこちらでは非常に多いような気がします。ティータイムに、パブで、学会で…今回もご多聞にもれず、たまたま隣の席にいたOBとも何とか話をしてみたり。こういった機会にありきたりの話題に逃げず、時折自分の知識をちりばめながら面白い話をするというのが理想のようですが、まぁありきたりの話題に逃げまくりです。。。
食後はまたコモンルームでワインを嗜み、その後は希望者で学生の集うバーで二次会。さすがにもう気心の知れた同僚達や相方と一緒だったのでだいぶ気楽でしたが、何ともお腹いっぱいな経験でした。今後もメイ・ボール、メイ・バンプなど大学の一年の終わりを締めくくるイベントが立て続くようで、訪問している立場ながら楽しみにしています。

クイーンズカレッジ(暗…)