TREE club

tatsuamano2005-10-04

今日から研究室で
「TREE club」
という名のゼミが始まった。生態学や進化について新しい話題を読み物的に提供してくれる、"Trends in Ecology and Evolution"を読んでいきましょう、というもの。
 以前にもNatureやScience、TREEなどを読むゼミはあったが、今回新しい点は、いわゆる「輪読」のように担当を決めてレジュメを作って、という形ではなく、レジュメなしに各自の意見や疑問を自由に交わす、フリーディスカッションの形をとっていること。これは、研究室の有志で行っている"The Nature of Scientific Evidence"の輪読でも採用されていて、やる気のある参加者にとっては、無駄のない洗練された論議のできる場となって非常に成功していると思う。
 お恥ずかしいことに、以前僕は「輪読会」というものにどうも意義を見いだせなくて、ほとんど参加していなかった。交代に発表して読んでいくぐらいだったら自分で読みゃぁいいじゃないか、と思って。ただ今思えば、なんともあさはかな考えで青かったなぁ(いや今でも十分青いですが。。。)と思うし、何よりもったいないことをしていたなぁと思う。最近になってようやく実感できるようになった「輪読会」の意義とは、やっぱり視野を広げることと、相手の考えを踏まえたうえで自分の意見を伝える議論の場であること。そんな意味でもフリーディスカッションの形は、本来の意義を純粋に求められていい。まぁ、「そんなこたぁあたりめぇだ!」とか、「いまさら気づいたのか!?」と思われる方もたくさんいらっしゃるとは思いますが。。。
 でもまぁ遅ればせながら、自分でそのことに気づけて実感できたというのはよかったかな、とも思う(←ここらへんの能天気さがB型?)。今日のゼミで話題にのぼった、「生物多様性保全の意義をどう伝えていくか」という問題でも、「直接作用を受ける問題なら人はマジメに考える」という意見が出ていた。研究においても、自分で実感できた課題というのは、今後貪欲に解決していけると思う。もっとも正確には、もちろん全て自分のおかげ、では当然なくて。これまで輪読に出ない僕に対して、見捨てることなく視野を広げることの重要性を説いてくれた先生には本当に感謝したいと思う。
 残念ながら今回のTREE clubでは、論文自体にはあまりピンとこなかった(2005 vol20 no8 前半)。次回に期待である。