Truth

An Inconvenient Truth: The Planetary Emergency of Global Warming and What We Can Do About It連休を利用して読みました。
"An Inconvenient Truth
The planetary emergency of global warming and what we can do about it"
Al Gore
これはよかったです!
何より英語だけどわかりやすい。ゴア元副大統領が1000回以上行っているという講演を元に作られているようで、全ページにカラーの写真や図が配置されていて、それを説明する文字はちょっとずつという構成です。
その一方で内容は核心をついたもので、素人の僕でも全体像がつかめた気がします。
「事実と異なることを知っているとしてしまうこと」の危うさを指摘することから本は始まり、まず温暖化が確実に起こっていることが、圧倒的なデータによって示されます。次に温暖化が引き起こしつつある地球規模の問題が次から次へと提起され、その後、温暖化を引き起こす原因について心理面も含めて詳細に考察されます。そして最後には、「この問題は必ず解決しなければならない、そして解決できる」という強烈なメッセージを残し、本は終わります。
のっけからページをめくる度に新しい驚きが生まれていき、最後には秀逸なプレゼンを聞き終えた後の頭がクリアになったような感覚が味わえます。こんな講演を各地で行っていけば、この人は本当に世界(アメリカ?)を変えられるんじゃないかと思いました。
また、随所で彼自身の生い立ちを絡めた心的側面が語られます。これもまた彼の主張の信頼性を高める効果があるように感じました。息子の大事故を機会に、何が大事なのか、プライベートだけでなく仕事の面でも見極めるようになったそうです。見習いたい。
全体を通して、科学の役割としての「事実を明らかにすること」の重要性も再認識しました。個別の研究成果が集約されると、世界を動かしうるこれだけインパクトの強いメッセージを発せられる、ということは、何だかとても励みになりました。