1年

tatsuamano2012-08-28

イギリスではここ数カ月で、女王の即位60周年祝賀式典が盛大に行われ、ウィンブルドンで全国民の期待を背負ったアンディ・マリーが涙を流し、そしてTeam Great Britainの劇的な活躍に沸いたオリンピックも終わりを迎えました。7、8月には気だるい程に暑い日も続きましたが、さすがにそろそろ初秋の空気を感じるようになってきました。夏の間中、街を占拠していた観光客とサマースクールの子どもたちもめっきりと減り、立て続いたイベントと短い夏の天気に浮足立っていた街の雰囲気が少しずつなくなっていくのを感じます。
と改めて気付くと、先日渡英してちょうど1年となる節目を迎えました。
もう1年か、というのが正直な感想です。研究について振り返ると、渡英してからの1年で新しい研究を論文として発表することができませんでした。外国と言えども以前住んだことのある場所で、環境の移行はとてもスムーズにできただけに、新しい成果を形にできなかったのはとても残念なことでした。始めから1年間と決まっていた前回の滞在に比較して、滞在期間の余裕が少し油断につながっていたこともあったかもしれません。一方で、以前に比べてはるかに多くのテーマを渡英当初から抱えており、その中から自分の興味や実現可能性、期待される成果を基に優先順位をつけて進めて行く、というまたひとつ違った段階での試行錯誤を続けているというのも事実だと思います。
そんな1年間のいい面を見るならば、この1年間では様々な研究テーマで非常に多くの研究者と協力する機会に恵まれました。その分ごたごたにも直面して嫌な気持ちになることもありましたが、こういった形での研究の進め方は自分も目指していたところであり、様々なタイプの人々と共同研究を行うことは、研究者としての経験にもつながるでしょう。これまでの1年間で試行錯誤してきた分、その過程で何とか積み重ねてきたものを、是非これから花開かせていきたいと強く思っています。
研究以外の面を振り返ると、もう1年間海外で、イギリスで過ごしたことで、この国やそこで暮らす人々について、また新しい発見や再認識など数多くありました。例えば気候ひとつとっても以前過ごした1年間での印象とずい分違っていたり、イギリス人を始めとした様々な国の人と新たに出会ってそれぞれ感じるところがあったりと、まだ何が分かったという訳ではないのですが、そんな些細な発見や認識の積み重ねが、経験とか見聞というものになり変わっていくのかなと感じています。まぁ平たく言えばサンプル数が増えていっている、ということですかね…
そんな一例(?)が冒頭の写真です。単なるハムなんですが、ずっと
Water ham
だと思っていたんですよ(笑)。前回滞在も含め2年間、毎日のようにハムサンドを作っていたにも関わらず。薄くてくしゃくしゃっとした感じが他のどんな高級ハムよりうまい!とお気に入りだったにも関わらず。正しくは
Wafer ham
なんですね。お菓子のウエハースとかと同意で薄いっていうことらしいですよ…こちらのハムやソーセージは水を加えることで文字通り「水増し」しているものが多いので、すごく水増ししたジャンキーな安物ハムだと思っていました。
まぁそんなこんなで、何かもっと書くべきこともあったような気もしますが、また思ったことはぼちぼちとここで書いていきたいと思います。滞在2年目に入り、気持ちを新たにがんばりたいと思います。