悲喜こもごも

tatsuamano2005-10-07


博士論文執筆は、なかなかに大変です。
 いま書いている論文はメソッドまで進みましたが、これが思っていた以上にクセ者で・・・初めて書く本格的なシミュレーションモデルの論文なので、これまでの論文とはいろんな面で違っていて、面白い反面、苦労しています。
 普段からそれほど気持ちが上下するタチではないのですが、さすがに研究のこととなると、自分が最も力を注いでいる部分の一つであるので、うまくいかないことがあると、やはりかなり落ちます。。そんなときに限って他のこともうまくいかなかったりして。。。
 しかし、昨日帰る直前に終わったシミュレーションモデルから、ちょっとだけおもしろい結果が得られました!その内容は・・・
 ヒミツです。
 多分生態学会では発表できることと思います。あんまり期待されても困りますが。。
 考えてみると、これまでもいつも研究はこんな感じでした。地道な野外調査やデータ整理、うまくいかない解析、なかなか書き進められない論文など、低調な時期が長めに続いて、それでも突然ふとしたときに、何か新しい発見があったり(←もちろん自分にとってのプチ発見)、満足いく結果が得られたりして。そんなときは、まさに目の前の視界が一気に開けたような気持ちになります。これがやっぱり研究の楽しさだなぁと、ベタながら思っています。
 いろんな機会に一般の人に、自分のやっている研究のことについて話すとき、野外調査の魅力を伝えるのはわりに簡単です。ただ、研究室の部屋でやっていることの魅力はなかなか伝わりません。毎朝学校行って、研究して、学食で飯食って、夜遅くに帰宅、という毎日は、見ため何のヘンテツもない繰り返しのようですが、野外に出ているときと同じくらいの発見や喜び、もちろん哀しみも、あるということを、是非主張したい!(誰に。。?)と思っている今日このごろです。
 今日の画像は、内容とは全く関係ありませんが、以前手に入れたお気に入りの「歌川広重 月に雁」(絵葉書)です。ガンの研究をしておりますので。