ゼミ発表

というわけで昨日はゼミ発表でした。
いくつか指摘されたのは、

  1. シミュレーションによって提言される農地管理の方法が直感的にもわかるものばかり
  2. 動物の行動ルールをベースとした予測モデルだが、その行動自体が変化する可能性についても考えておくべき
  3. モデルの部分のプレゼンテーションが情報多すぎ

などなど。。
 1については、僕自身も感じている点でもあり。。保全管理問題でのモデルの役割っていうのには2つの側面があると思うんですよね。1つは実験的手法ではできない時空間的に大きなスケールでのシミュレーションをやって、定量的な予測を導くこと。これはどちらかというとそれぞれの現場で実際の管理策を決めるにあたって求められること。そしてもう1つは、人間の頭で直感的には思いつかないような現象を予測すること。こちらはどちらかというと、研究者にはおもしろいと受け取られやすい。僕の現時点での論文では前者はクリアできているのではないかと思うのです。研究者を目指す身としては、確かに後者についても是非クリアしたいと思うのですが、特に今使っているような複雑なモデルでは、あまり中途半端な形で出すと怪しげになってしまうし。。今扱っている系でももうちょっとその点できることはあると思うのですが、D論には間に合わないでしょうか。
 2については、その点認めて研究の限界を伝えるしかないとは思います。僕が使っている「行動ベースモデル」というのは、「異なる環境下でも適応度を最大化するという個体の目的は変化しない」ということを前提に、「適応度を最大化させる」ための行動ルールを予測の基盤としています。しかし当然この「適応度を最大化する」やり方は複数あるでしょうから。特に今扱っている系のように「渡り中継地」となると、どうすることが適応度を上げるかについてはちょっと単純には言い表せないのも事実でして。。。この点考えておくことは重要になりそうです。
 3については、やはり痛いところです。本番の発表までにはもうちょっと工夫しないとならんですね。
と、そんなこんなでした。