帰りました。

tatsuamano2007-09-15

城?(→)ってな感じのGlasgow大学で開かれたイギリス生態学会に参加してきました。
ヒースローから飛行機を乗り継いでようやくついたGlasgowは、宿舎では暖房が入っているくらいの寒さでしたが天気はよく、北つながりということでどこか札幌っぽい雰囲気の街でした。
この「城」の中に点在する会場を行ったり来たりするという形で。初日は行動生態学のセッションでマガンの群れ採食について発表を行いました。結果は・・まぁ可もなく不可もなく。。発表の方はどうしてもまだ原稿に頼りがちになってしまい、質疑応答は、まるでチンプンカンプンというのは避けられましたが、まだまだスムーズにはほど遠く。でも去年の発表ではまるで満足に応答できなかったことを思えば、この1年のかいがあったというところでしょうか。
自分の発表後は気楽に他の発表を聴いて回りました。全体を通して活気があると感じたトピックは、1.Global Environmental Change、2.データやプロセスのuncertaintyを考慮したモデリング、3.保全管理対策と経済のトレードオフ、など。1に関しては、いくつものプロジェクトがポンポン立ち上がっている感じでした。こういったプロジェクト型の応用研究があまり日本の大学で見られないのはなぜでしょう。一方で独法ではプロジェクトがあるのにほとんど大学と連携が取れていないように思います・・2に関しては、分布モデルでも個体群動態モデルでも、データやプロセスの不確実性は相当にちゃんとした手続きを踏んで考慮しないとなかなか認められなくなりそうだ、という感触を得ました。3に関しては自然の流れで行き着いているという感じでしょうか。農地性鳥類の生態自体に踏み込んだ研究が減り、経済学を取り入れたプロジェクトが始まっているのはその象徴のようでした。
発表とは別に、conservationevidence.comプロジェクトに協力するため、SutherlandやShowlerといった面々とも話をすることができました。このプロジェクトは、世の保全活動があまりに「科学的証拠」に基づいていないことが発端となり、その「証拠」を実際に積み重ねていこうという目的の下に始まりました。ただ保全に提言している研究成果なら何でもいいというわけではなく、「実際に○○というactionをとったところ、△△というconsequenceが得られた」という「証拠」を得た研究が対象になり、新たに投稿、または既存の文献の要約を投稿、という形で整理されていきます。将来的には出版化も考えられているようです。当然、幅広い情報が必要とされているのですが、まだまだ国際的に情報が集まっているとは言えず、ましてやアジア、日本など未知の領域とのことでした。今後は僕も協力して、少しずつ日本語の文献も含め紹介していくつもりです。それにしても、「日本語ができる」ということが長所になるという感覚は初めてでした。もちろん英語ができることが前提の話なワケですが。。ちなみに今のところこのサイトで日本からは唯一、YMGCHさんの論文が紹介されていますね。いやいや俺のも!という方は、是非ご一報を。

conservationevidence.comのブース。周囲の大手出版社に比較するとだいぶ手作り感が。。
今回は彼らのように地元(?)の人ともゆっくり話す機会があったのはいい経験となりました。Sutherlandには自分の研究計画などについても話してみましたが、まだまだ伝えきれず、社交辞令の枠を超えない感じでした。研究自体の軸をはっきりさせることと、それを伝える能力と、両方欠かせないですね。
まぁそんなこんなで短いながらにいい経験となりました。1年前に比べると、全く何言ってるかわかりません!ということがほとんどなく、ふむふむやはり努力は裏切らないな、と満足げに帰途についたところ、空港のカウンター係員の言っていることが全くわからずへこみました。。。
そういえば、グラスゴーと言えばセルティック・レンジャーズの本拠地でもあり、サッカーが盛んなことは言うまでもありません。今回はさすがに試合観戦とまではいきませんでしたが、パブやカフェにスコットランド国旗が張り巡らされていたり、タクシーの運ちゃんが僕を見るやいなや、シュシュンスケ・ナカムゥラを連呼したり、とその雰囲気は随所に感じられました。

会場で手に入れた"I love ECOLOGY"バッジとマグカップ

やはり城にしか見えないグラスゴー大学。1451年設立!さすが"The University"