幻のLevy flight
Levy flightという言葉は、初めて聞いたときから妙に頭にのこる響きでして。
動物が食物や新たな生息地を探すときなど、どのような探索経路をとるのが効率のいい資源発見につながるか、ということが問題になります。
こういった探索経路のnull modelが通常はいわゆるrandom walkというやつなのですが、実際の動物は一度探したところを誤って再び探してしまわないようにrandom walkよりも直線的な探索経路をとることが多く、そういった経路を表現するために多くの研究ではcorrelated random walk (CRW)という進行方向がある方向に偏っている探索方法を考慮していたりします。
そんな中1996年にNatureで発表されたのが、大海原で食物を探すワタリアホウドリはLevy walk (flight)をしている、という研究でした(Viswanathan et al. 1996)(Levyのeは本当は上に点がついてる文字)。
このLevy walk、物理学的な現象にはかなり応用されている概念らしいのです。CRWと違って進行方向は常にランダムに選ばれていても、1ステップが稀に非常に長いという移動を行うと効率よく分散できる、すなわち一度探したところを誤って再び探してしまわずに済む、ということになるようです。動物個体の移動1ステップの長さ(時間)の頻度分布を描き、log-logプロットで回帰すると、直線の傾きbが-3