トーク2

tatsuamano2008-11-07

日本で自分が経験してきた研究環境とこちらでの研究環境での最大の違いはと言えば、まずセミナーの多さが挙げられます。
火曜にはBehaviour, Ecology & Evolution Seminar Series、木曜にはTea Talks、金曜にはEcology Lunchtime Series、といった定期的なトークが(自分の居室のすぐ隣で)行われ、それ以外にも不定期なものも行われるため、ほぼ毎日あるといっても過言ではありません。そしてこれらの予定は掲示板やティールームに掲示される他、talks.comという大学のウェブサイトで全て管理されているため、非常に便利。
発表者は超大物から内部の学生に至るまで、様々。内容も感心させられるものからちょっといまいち…なものまで、様々。いずれにしても何とも恵まれた環境です。最近ではTim Blackburnの話を興奮気味に聞いたり、同じグループの学生・マルビカの話を聞いて、これは自分のデータにも応用できるのでは?と着想させられたり、と非常にタメになります。
(ちなみにこのマルビカは親切にも余っていた自転車を僕に貸してくれていたのですが、何と自分の自転車が盗まれてしまったというので先日返すことに。どんだけ盗まれるんだ!)
7日はこの3つの定期セミナーの中でも最もインフォーマルと言われるEcology Lunchtime Seriesで発表させてもらいました。セミナーでは完成した話がいいとのことで、ちと古いのですがD論の内容を話させてもらいました。
当然のことながらこの準備はなかなか大変でした。先日のラボランチでの発表は約10分ですが、こちらは約30分。ドクターを取った頃には、まさか自分がほぼ同じ内容を全て英語で発表することになるとは思ってもみませんでしたね。。。
せっかく話すので伝わらないことだけは避けたいと考え、結構時間をかけてプレゼンを準備、練習もして、同僚からは「モラルサポートするから!」と励まされ、臨みました。
発表自体はおかげで何とか無事終えたものの、相変わらず質疑応答はぐだぐだ。。(まぁこれは日本語でも…)何とか質問されている内容を理解するところまではできるのですが、適切な言葉で答えるというのはやはり難しいです。かのニック・デイビスにも聞きに来てもらい、マガンの意思決定について多少のやりとりをしました。が、特に不完全な情報をもつ個体の意思決定と結果としての分布の関係についてはビルが答えてくれました。。。ビルや行動生態のグループの人は情報の程度や他個体の影響などにも興味を持って質問をしてくれたのですが、ちょっと自分の回答が拙すぎて、意味をなしていたかどうか自信がありません。
まぁトークの内容自体はいろんな人によかったと言ってもらえて救われました。しかしまだまだ「普通」のトークであることには間違いなく、何とかいつかは誰もが食いついてくれるようなトークができるよう精進したいと思っています。帰る前にもう一度くらいトークする機会があるだろうかとビルと話していたら、「来週?」と言われました。。
最近はビルや他のメンバーにも自分のこれまでの研究成果を紹介したり、新しい結果を見せ始めたり、だいぶ新しい環境での自分の研究者としての立ち位置が確定されつつあるのを感じます。ビルには「メンバー全員とでも共同研究を発展させてほしい」と具体的な提案もされており、あとは自分次第というような状況です。
生活にも慣れ、もうそろそろ成果を出していかなければと感じ始めました。短い期間で何とかこの環境を精一杯活かし、少しでも多くのいい研究をしたいと思っています。