吉報

ようやく受理の知らせが届きました!
Amano & Katayama (in press) Hierarchical movement decisions in predators: the influence of foraging experience at more than one spatial and temporal scale. Ecology.
多くの動物が空間スケールによって異なる移動経路(階層的な移動経路)を見せることがよく知られています。この研究では、水田で採食を行うチュウサギを対象に、GPS・レーザー測距計・デジタルコンパス・システムを用いて移動経路と採食行動を同時に記録することで、チュウサギ個体が過去の採食経験によって移動パターンをどのように変えているのかを調べました。
解析の結果、(1)小さい空間スケールでの移動は短い時間スケールでの採食経験、大きな空間スケールでの移動は長い時間スケールでの採食経験に、それぞれ影響を受けていること、(2)歩行中の採食経験と移動パターンの関係は、Area-restricted / avoided searchで説明されること、(3)歩行を続けるか飛行して場所を移動するかは、Marginal value theoremで説明できそうなこと、がそれぞれ分かりました。
以前もブログで書きましたが、編集者のバート・コトラーさんには、2度のリビジョンを通して非常に丁寧で的確な論文の改善案を示してもらいました。これまで経験した査読プロセスでも最も理想的なものだったと思います。本当に勉強になりました。
明日からはオランダはライデンで行われるワークショップに参加してきます。この分野の優秀な研究者が集まっているうえ、5日間朝から晩まで缶詰めというスケジュールです…。知っている人も皆無でかなり心配ではありますが、失うものは何もないでしょう。開き直って(?)、元気に参加してきたいと思います。