バイバ

tatsuamano2009-04-29

家の近くにある池で、ハイイロガンとマガモとバンがほぼ同時に子育てを始めました。
ガンの研究をしていながらガンの繁殖は見たことがなかったので、何とも興味深いです。3月頃に突然ペアが姿を現し、気づいたらヒナがかえっていました。ヒナが必死にそこいらで草を食べている間、両親はほぼずっと辺りを警戒しています。なるほど親が採食に費やす時間は短そうです。
先日BTOに就職を決めたアリーが、D論の審査に臨みました。イギリスでのD論審査は、viva(バイバ:viva voce)と言うそうです。
最大の特徴は、非常に「閉鎖的」なシステムである点です。二人の審査員と密室で行うD論の内容についての議論が最終審査となります。直接の指導教官は同席しません。イシチドリの個体群動態をテーマとしていたアリーはリース・グリーンが直接の指導教官でしたが、ビルが審査員の一人だったため、緊張した面持ちでビルの部屋に入っていき、もう一人の審査員とともに議論を始めました。
その後、3時間もの間、全く音沙汰なしです。。。他のメンバーは外でそわそわと待つよりほかありません。ようやく部屋から出てきたアリーは、「まだ少し原稿を直さなきゃ…」と言いながらも無事審査を終えたらしく、晴れやかな様子でした。その後リースや研究室メンバーも加わってシャンパンを開け、晴れて「ドクター・ジョンストン」の誕生となりました。
この機会にD論の審査についていろいろと聞く機会がありましたが、オーストラリアではそもそもディフェンスがないとか(楽そう…)、オランダのD論はとてもきれいに冊子化されるとか、なかなかお国柄がでるイベントのようです。ビルは「閉鎖的」なバイバについて、「聴衆の前ではわざわざ聞けないような詳細な点までつっこめるのは利点」と話しており、なるほどと思いました。
いずれにしてもアリーのD論について詳しく話を聞けないのは残念と思っていましたが、ラボミーティングでも話をしてくれ、また修正後の原稿ももらえることとなりました。彼女は5月1日からBTOで仕事初めとのことで、今後の活躍を期待したいと思います。
D論の審査システムの各国における状況についてはウィキペディアにも細かく書かれていましたので、ご参考まで。
Dissertation
マガモの親子