ゴミと英語と金銭感覚

tatsuamano2011-10-30

イギリスでは夏時間が終了し、ますます冬が近づいてきています。
こちらで生活を始めてから、言葉はもちろんのこと習慣など分からないことも多く、自分がいろんなことを覚えつつある子どもかのように感じることがしばしばあります。
例えば金銭感覚です。渡英直後はモノの価格を見た時にどうしても円に換算してしまうのですが、最近では少しずつですが直接価格の高低が感じられるようになってきました。その感覚は、どうも自分が様々なものを買った(払った)経験に影響されている気がします。これは大体サンドイッチの値段、あれは豚肉、テレビ、家賃、等々…こうやって金銭感覚は養われていくものなんでしょうか。
一方、なぜか全く発音が覚えられない英単語というのが自分にはあります。
Pearはぺアーが正しいのですが、いつになってもピアーと言ってしまう。
Toeはト−が正しいのに、トゥー。
Paidはペイドが正しいのに、ペッド…
どれも中学生レベルの単語なんですが…どうも発音するときに無意識に単語のスペルが浮かんでしまって余計に惑わされてしまうような気がします。ネイティブは間違いなく話す時にスペルなんて思い浮かべないでしょうね…
話は変わりまして…
ひと月ほど前に今の家に引越してから驚かされたのは、ケンブリッジのゴミ分別方法です。各住所に配備されている大きなゴミ容器に入れて自宅前に出しておくと二週間に一度(!)回収してくれるのですが、その分別は三種類。生ゴミ、リサイクル可能ゴミ、その他一般ごみ。
生ゴミは回収後そのまま堆肥化されるそうで、ゴミ容器に入れるにもビニール袋に入れてはいけないという徹底ぶり。リサイクル可能ゴミは、全ての紙、缶ビンを分別なく容器へ。その他一般ゴミはその他一般ですが、それらは全て埋め立てられるそうです!そのためなるべく減らせという脅しつき。どうやら燃やすものがありません。
まだ調査不足ですが、2年前の滞在時には分別方法が違ったような気がするので、CO2排出量対策のために最近変えたのでは推測しています。他の地域でもそうなのかは分かりません。結果がどうなっているのか、一般ゴミは減らせているのか、など気になる点はあるものの、もし変更したのならかなり大胆な方針だと衝撃を受けました。個人的な感覚では、ゴミを減らさなければという意識がかなり高まる気がしています。
以前ビルがラボランチで、多様性保全で人々の行動を変えるためには、‘nudge’(せっつく?)choiceが不可欠だと強く主張していました。例えば、臓器提供率を上げるために、英国での免許証取得時の記入事項は、「臓器提供を希望します」だけの選択から、「希望します / 希望しません」という二択に最近変更されたそうです。米イリノイ州では同様の対策により臓器提供の登録者率が38%から60%に上がったという先例もあります。
堆肥化、リサイクル、埋め立てという三択を迫るゴミ分別方法は、まさにそんな‘nudge’ choiceを推進する英国(ケンブリッジ市?)の態度を表しているのかもしれません。