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tatsuamano2011-11-06

風邪をひきました。
あまり熱は出なかったのですが、せきが長引き、声が出なくなってしまうようなタチの悪い風邪でした。
こちらで風邪をひいた場合、多くの人の対策はほぼ皆無のようです。ストレプシルズというノドアメに毛が生えたようなもの(ただ効果は日本のノドアメの方が…)をなめるか、ホットレモンの粉末をお湯に溶かしたものを飲み、後はマスクもせず(売ってない)、自分のデスクでひたすらゲホゲホしながら通常通りの生活を送る、という感じです。前回の滞在時、新型インフルが出始めの頃、「すごい熱がある」といいながらゲホゲホする学生の横で、「場合によっては一時帰国の必要あり」と伝える職場からのメールを読んでいたのは、少々スリリングな経験でした。
というわけで、今回も新ルルA錠に頼り、日本の薬ってすごいな…と実感したわけです。
さて、日本の生態学会での発表登録締切が迫っています。渡英前から参加予定のつもりで、何が発表できるかなと思っていたのですが、何とか新しい成果で発表登録できそうです。
こちらに来てからしばらくは、日本から持ってきた原稿の執筆や改訂に追われていたのですが、10月に入ってようやくぼちぼちと新しいことを始められるようになり、最近は少しずつ成果も出つつあります。
こちらでの研究テーマについて、もちろん大枠は決まっているのですが、渡英後、日に日に関連テーマが自然と増えていき、リスト化すると結構な数になってきました。その内容は自分で持ってきたもの、こちらで思いついたもの、元々行っていた共同研究など様々です。加えてビルはアイディアマンですので、ある朝突然デスクに着く前につかまって、「こんなことはできないだろうか」と荷物も降ろさないまま新しいアイディアを聞かされることもあります。その内容は本当にピンキリなのですが、代わりにこちらが出すどんなアイディアも否定されることはなく、アイディアっていうのはこうやって何でもどんどん生み出していくものなんだなと考えさせられます。
一方で、アイディアを実行に移す作業はほぼ任されています。人的ネットワークや資源の提供に関しては惜しみない協力をしてくれますが、基本多忙なので結果の報告さえままならないこともあります。院生のことはかなり気を使って面倒を見ている印象がありますが、ポスドクは催促することもほとんどなく、ほぼ放任という感じです。
とにかくこのように様々な形で生まれてきたアイディアはどれも貴重です。しかし時間も限られています。何を優先し、どこからどう手をつけていくのか。これからは何とか苦手なマルチタスクをこなす努力をし、少しでも多くの面白い重要な研究を実現化していきたいものです。生態学会で発表予定のテーマは、長い間アイディアを温めていて、渡英後についに実行に移すことができた新しい内容です。今後詳細をつめ、是非3月にはいい発表をしたいと思っています。