Buffer mechanism

こちらにきて、初めてセルフ給油を行いました。
運転歴は7年目といえども、これまでの給油はほとんど宮島沼近くの行きつけ(?)のスタンド。ふと気づけばつくばは(他もそう?)ほとんどセルフスタンドです。すごい勢いで出るガソリンにびびったけれど、一度経験したのでようやく一安心。
個体群サイズ減少に対するbuffer mechanismを扱っている面白い論文を読みました。
Rossmanith et al. 2006. Behavioural flexibility in the mating system buffers population extinction: lessons from the lesser spotted woodpecker Picoides minor. Journal of Animal Ecology. 75:540-548.
PVAなどを利用して個体群動態を理解する際、"Safe site", "Group living", "Floater", "Effect of good years" などのbuffer mechanismを考慮することが重要であるとGrimm et al. 2005は主張していますが、この論文はそのbuffer mechanismの中でも"mating system"に注目した論文です。
とてもシンプルな論文ですが、「一妻多夫制の存在は個体群の存続にどう影響するか?」という問いに対し、コアカゲラで実際にとったパラメータを使ったIBMで答えています。結論を言ってしまえば、多少コストがあっても一妻多夫制があることでつがい相手のいないオスも繁殖でき、環境や繁殖パラメータの揺らぎに対し個体群動態が頑健になる、という直感的にもわかりやすい簡単なことですが、「一般則→メカニズム解明」という研究の流れが美しいのではないかと思っているところにちょうどいい事例研究でした。
また、IBMはその一般性のなさからしばしば批判されますが、この研究はモデルそのものは一種を対象としたものですが、メッセージがとてもよく伝わり、empiricalなIBMの使い方のお手本のようなものでないかと感じました。
今後、個別な種を対象としたモデルを作っていく際にも、こういった一般性の高い研究を目指していきたいものです。