PALSAR

tatsuamano2006-10-25

知ってます?PALSAR。ギャルサーじゃなくて。
フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ、です。昨日からデータの一般供給が始まった日本の人工衛星ALOS(だいち)に積まれている自慢のセンサ、だそうです。あまりの名前の凄みに、思わず無条件でデータを使ってみたくなってしまいます。。。
なんでこんなことを知っているかというと、今日まで3日間、神谷町はリモート・センシング技術センターで行われた「地球観測衛星データ利用セミナー(初心者向けコース)」に参加してきました。最終日の今日は、何と修了証書までもらってきてしまいました!かといって、もうすぐにバリバリ解析できるというわけではないのですが。
最初は正直甘くみていたのですが、これがまた実に興味深く、ためになりました。
衛星データとはどのような原理でどのようなデータから成り、その解析によってどのような情報が得られるのか、丁寧な説明と簡単な実習でよく理解できました。やはり、複数のバンドによって目的ごとに異なる観測波長を得るという観測原理が最も感心した点です。この光学センサの複数バンドによるデータ差からの情報抽出や、マイクロ波センサ(合成開口レーダ)での後方散乱の利用など、そのデータ利用法には何度も目からウロコでした。こういった手法を用いると、ぱっと見では全くわからない地表の特性やその変化量が、くっきりと明らかにされてしまうのです。全くびっくりです!また、得られた情報の具体的な応用法なども、その高いポテンシャルとともに理解することができました。
そして何より、それらのデータが何百キロも上空から地球全体についてとれてしまうということへの純粋な驚き!とにかく、普段あまりなじみのないこの先端分野を少し垣間見れたのは、とても興味深い経験となりました。今まで衛星データというとどうしても工学系・技術屋というイメージだったのですが、やはりこれだけのポテンシャルを見せ付けられると使ってみたくもなるものです。
少し我に戻って自分の分野について考えてみると、やはりこういったデータをいかにラージスケールでの生態学的プロセスと関連付けられるかが、今後重要な課題となっていくのではないでしょうか。今では生物側もラージスケールデータを取る技術が発展してきているので、ただ分布と衛星データを関連付けるだけの研究からさらに踏み込んだ研究が、発展の余地ありかなと思います。そんなことを考えると、「衛星データ=写真」程度の知識だったこれまでから、衛星データがあればこんなことができる、と知ることができたのは、今後新しい可能性を広げていくためにもよかったかなと思います。
ちなみに。
今回の参加者、20人強だったのですが、その所属は、
大学・水産系独法・林業系独法・農業系独法・国土地理院海上保安庁
などはまぁ普通なのですが・・
警察庁
内閣官房。。
防衛庁。。。
リ、リアルすぎる・・・何に使うんだろ。。農地分類とか。じゃないよね・・