モニ1000

モニタリングサイト1000のガンカモ類調査検討委員会、というものに出席してきました。
モニタリングサイト1000」というのは、環境省による長期生態系観測プロジェクトで、「1000ヵ所程度のモニタリングサイトを設置し、基礎的な環境情報の収集を長期にわたって継続して、日本の自然環境の質的・量的な劣化を早期的に把握します。」とのことです。ガンカモ類調査は、生態系「河川・湖沼・湿原」という区分のモニタリングサイトで主に行われています。
議論が進むうちに、全国規模でのモニタリングというプロジェクトの現状と問題が見えてきたような気がします。
何よりもモニタリングは調査体制です。ガンカモ類の調査を行っているのは80ヵ所といったでしょうか。この全てで各種の個体数調査を100年(?)続けるというのは、ガンカモの調査が比較的楽といえども、やはり大変なことです。調査員の確保、モチベーションの維持、データの質の向上、など議題にあがりました。もっとも、ガン類に関しては既に全国一斉調査が行われているということもあって、他の調査に比べればかなり調査体制が整っており、むしろこの利点のためにモニタリング項目の一つとなったということも言えるようです。
ただ、この経緯が調査目的の曖昧さにつながっているような気もします。ガンカモ類は河川・湖沼・湿原生態系の何らかの状態を指標する、ということが前提となってモニタリング項目となっているのですが、これはやはりちょっと無理があり、このままではいけないところだと感じました。今後徐々に他のモニタリング項目も増えていくんでしょうけれども、少なくとも今の段階からこの前提は前提ではない、ということをもっと意識していかなければならないと思います。どの種がどんな指標になりうるのか、なりえないのか、まじめに検討する必要があるでしょう。そのようなことを調べている例があったら是非教えていただければと思います。