SCCS

tatsuamano2009-03-28

いつもは日本のテレビは禁止していますが、先週ばかりは連日徹夜の覚悟でWBCをインターネット観戦。イチローの決勝打に感涙した翌日、同僚にその歓喜を伝えるも、やはり野球の話は伝わりづらいですね。。とは言うもののサッカーファンもほとんどいないというおかしな研究室です。
Student Conference on Conservation Science という学会に参加してきました。今所属しているConservation Science Groupが中心となって企画している、保全生物学に取り組んでいる学生のための学会です。発表は「学生じゃないし…」と認めてもらえませんでしたが(残念)、運営ボランティアも兼ねて参加しました。
もっと小さな学会だと勝手に思っていたのですが、文字通り「世界中」から集まった数百人の学生で会場は熱気に満ちていました。発表のレベルは様々でしたが、様々な国からの参加者と話す機会に恵まれ、アフリカやアジアからやってきてレベルの高い研究者を目指したい、自国の多様性保全に貢献したい、という熱意がビリビリと伝わってきました。
発表以外にも、ワインレセプション後にジャーナリストが生物多様性の危機についてスライド無しで1時間熱く語り続ける講演があったり、ケンブリッジ周辺の保全に携わる機関・団体が活動の説明や職の公募をする機会があったりと、どれも想像以上に楽しむことができました。
今年でこの学会は10周年だったらしく、ケーキを前に皆でハッピーバースデーを大合唱という一幕も。またサプライズイベントとして、初期の学会に参加した学生(今や皆立派なconservationistになっていますが)が、今回の参加者に向けてメッセージを送るという試みがありました。この学会で将来の指導教官に出会ったという人も多く、学生からも今後のキャリアプランについて積極的な質問が相次いでいました。
そこで発表された、conservationistを志す学生へ贈る10のtipsは印象的なものでした。

  • まず自分が情熱を持てる問題を見つけよう
  • しかし現実は見据え、
  • 積極的に、
  • ネットワークを大切にし、
  • 計画は具体的に、
  • 自分を売り込むことにはためらわず(自分の中のアメリカ人を見つけよう!)、
  • ただし燃え尽きてはいけない(あなたには人生がある)、
  • そして、常にポジティブに。

(2,3足りない…)
全体を通じて、学生達はとても前向きで、熱意と自信をもって、楽しく研究生活を送っているという印象を受けました。彼らも決して安泰な研究者生活が約束されているわけではなく、先が見えない中研究を続けているはずです。それでも一本筋の通った強い意志をもって研究に打ち込んでいる姿には、なんだか清々しい気持ちにさせられました。
また学会中、嬉しいニュースが飛び込みました。同じ研究室のアリーがBTOのパーマネント職に採用されたのです。モニタリングデータの統計解析を主に行うという非常に面白そうなポストです。実は彼女の最終面接直前、ビルに突然「面接官役をやってくれ」と頼まれ、模擬面接に協力していました。統計解析について質問すると若干シドロモドロで心配していたのですが、採用されたと聞いて本当に嬉しくなりました。
研究室でconservation evidence関係の作業をしていたベックスも環境系コンサルに職を得て、日本のようにこの3月は別れの季節となります。学会打ち上げや就職祝い、送別会など、パブ通いが立て続きました。

SCCSに参加した国の数々。軽く50は超えています。見る限り日本はなかったので、主張しておきました(笑)