意見論文

嬉しい論文が受理となりました。
天野達也・赤坂宗光・石濱史子・角谷拓・杉浦真治・滝久智・山浦悠一・横溝裕行 (印刷中) 日本の保全生物学が必要とするマクロスケールからの視点. 日本生態学会誌.
何度かブログでも書いてきたように、ここ数年でつくばに似たような興味を持った同世代の研究者が多くなり、そういった面々の「横」のつながりを活かして何かできないかと考えてきたのですが、皆で出し合った意見をこうして一つの論文としてまとめることができたのは嬉しい限りです。国内での生物多様性保全のために、マクロスケールからの視点をもった研究が現在必要とされているのではないか、という観点からまとめた意見論文です。皆の共通したテーマとして保全生物学があり、特に最近はマクロスケールでの研究の重要性も実感していたため、それぞれが得意な分野で貢献することで短いながらも内容の詰まった論文に仕上がったのではないかと思っています。
COP10には間に合いませんでしたが、11月号に掲載予定だそうです。こういった論文は反応をもらってこそのものだとは思いますが、考えや意見をまとめて伝えるという作業も重要だと実感することができました。国内外の雑誌を問わず、今後はこのような論文も機会があれば書いていきたいですね。
この夏はいろいろな人と飲みながら話す機会に恵まれましたが、研究者としての今後の人生にいろいろと想いを巡らせるようになってきたのは、自分だけでなく多かれ少なかれ皆そうなんだなと感じました。公私で環境が落ち着いたり、研究の一連の進め方が分かってきたりして、恐らく生産性も高くなるであろうこの30代前半からの研究者人生で、どんなことをするのかは非常に重要になりそうな気がします。やらなかったことを後で後悔しないよう、この貴重な時間を過ごしていきたいと思っています。