学会シーズン

tatsuamano2010-09-24

9月は学会シーズンです。韓国でのEAFES参加こそ直前にキャンセルという結末になったものの、ほぼ連続して鳥学会と個体群生態学会に参加し、発表を行いました。
鳥学会では光栄なことに黒田賞をいただくことができました。黒田賞は鳥学会で創設された若手向けの賞で、更に名誉なことに今年は第一回です。40分の受賞講演があるということで、これまでの自分の研究をどうまとめ、聞きに来てくださる方々にどのようなメッセージを使えようかと迷い、準備にかなり時間がかかりました。結果、あまり気取ってもしょうがないと考え、鳥類を初めとした生物個体群の時空間動態を理解するためにどのような研究アプローチが必要かという点について、日頃から自分が考えていること、またそのような考えに至った過程を説明しながら自分の研究内容について紹介する、という発表を行いました。
発表後には、様々な方々からお祝いの言葉だけでなく発表の内容自体についても多くの反応をいただき、準備にかけた時間が報われる思いでした。特に学生さんを含め若手からの反応は嬉しかった!研究分野を超えて、研究や研究者の在り方を考えるというのはとても重要な機会だと感じていて、そんな時間をもてたのが何より嬉しいことでした。これまでの研究を支えてくださった全ての方々と、当日話を聞きに来て下さった方々に、改めて感謝したいと思います。
一方、個体群生態学会では新しく知り合った北大の深谷さん、齊藤さん、上野さんと時系列データ解析に対するベイズモデルの利用について、シンポジウムを行いました。このシンポに限らず参加者の反応や発表を見聞きして、個体群生態学(者)の考え方みたいなものを少し感じることができたのは貴重な経験になったと思います。侵入種管理に個体群生態学を生かすという大会シンポでの議論も考えさせられました。理論と現場のギャップというのは常に課題として挙がるのですが、その間にもう1ステップ必要だろうという会場からの意見には共感できました。何というか、自分の立ち位置というものもまた少しクリアになった気がして、今後の研究へのモチベーションが上がりました。このような機会を与えていただいたシンポ発表者の皆さまに感謝したいと思います。
学会も一段落したことですし、上がったモチベーションを基に、これからは生産的な時期にしたいものです!