研究集会

tatsuamano2011-05-22

バードリサーチ主催の鳥類モニタリングに関する研究集会に参加してきました。
一般の方々を対象に、モニタリング調査とデータ解析の手法を学んでもらおうという試みで、僕からは「どうやって鳥類をモニタリングするか」というタイトルでヨーロッパと日本の状況について話をさせていただきました。割とがんばって準備したつもりだったのですが、ちょっといろいろと詰め込みすぎた感が否めず申し訳ありませんでした。何とも初歩的なミスで反省しきりです。。
研究集会全体は山中湖畔で1泊2日という短い期間でしたが、僕としてもいい経験をさせていただいたと思います。
例えば、初日夕方にはTRIMの講習会がありました。TRIMというのは複数の調査地におけるモニタリングデータから、全体に共通した個体数動向を「個体数指数」として定量化するためのユーザーフレンドリーなソフトウェアです。
TRIMはStatistics Netherlandsによって、多くの人々がモニタリングデータを容易に解析できるようにと開発されました。現在ではヨーロッパの多くの国で鳥類種の個体数動向、また蝶類や哺乳類の個体数動向もが定量化されていますが、その裏でこのソフトの開発と改良、そして様々な現場での草の根的な普及・講習活動が果たした役割は計り知れないものであると思います。そんなTRIMも今やバードリサーチや関係の方々の努力によって、日本語での手引きが公開されています。今回のTRIMの講習はヨーロッパ以外の地域では初めての試みだったのではないでしょうか。参加者の方々にはまだとっつきにくい部分もあったようですが、そんなある意味「歴史的」な場面に立ち会えたという感慨に一人でひたっていました。
二日目は調査実習とそのデータを使った予備解析なども行いました。キビタキセンダイムシクイなどがすごい数いてびっくりでした。参加者の方々ともいろいろ話すことができ、多くの方が自分が持っているデータをどうにかして解析して形にしたいという強い動機をもって参加していることを感じました。ゆっくりとではありますが、バードリサーチの皆さんとその関係者、そしてこういった講習会に参加される意識の高い方々によって、日本の鳥類モニタリングは着実に変わりつつあります。
自分もその活動に精一杯協力すると同時に、自分ならではのやり方でも、こういった世の中を少しでも変えていけるような貢献を目指していきたいと思いを新たにしました。


発表はUstreamで中継されツイッターで質問を受けるという新形態。

翌朝の調査実習の様子。

統計解析の講習。