初登校

tatsuamano2011-09-01

渡英してから約1週間、家探しをしたり(今回はこれに苦労しています…)、なぜか旧友をロンドンで出迎えたりしてまだ研究室に行けていなかったのですが、本日、何だかあり得ないような快晴のもと、ようやく初登校です。
街並みはそれほどでもなかったのですが、一歩構内に入るとさすがに懐かしい感情があふれてきました。
博物館前のクジラ骨格標本
受付のおばちゃん(名前忘れた…)。
1週間で愛車を盗まれた自転車置き場(直視できない…)。
受入れ教官のビルを始め、2年前にいたメンバーは皆「おかえり!」と声をかけてくれました。前回ここを去る時ビルに「君は必ずここに帰ってこなければならない」と冗談交じりに言われたことを思い出し、いろんなステップを経て本当に帰ってこれたんだなと実感しました。
グループには当然のごとく新しいメンバーも多く、彼ら彼女らとはこれからまた四苦八苦しながら人間関係を築いていくんだろうなと思ったり。
今日たまたまバイバ(最終口頭試験)のあった修士生の副査としてきていたタマス、明日からオーストリア(?)の大学に異動するというティム、といった共同研究者とは早速ミーティングを行いました。ビルを筆頭として基本皆忙しいので、出会えた時にできることは全て済ませてしまうのが重要になります。
彼ら(特にビル)と話していると、スケールの大きなアイデア(実現可能性はピンキリ)が次々と飛び交って、何だか昨日まで自分がいた世界から、頭をわしづかみにされてどんどん前へ連れていかれるような感覚を受けます。あーこれこれと思いながらも、まだ頭がついていけず少々ぼんやりとしています。
今日はリビジョンに苦悩していた論文にもポジティブな反応が返ってきてテンションが上がりました。ついでに最近受理された論文を紹介しておきます。

  • Amano, T., Okamura, H., Carrizo, S.F. and Sutherland, W.J. (in press) Hierarchical models for smoothed population indices: the importance of considering variations in trends of count. Ecological Indicators.

モニタリングデータから相対的な個体数変化を表す「個体数指数」を推定する際の、階層モデル、一般化加法モデル、一般化線形モデルの精度を比較した論文。2年越しの受理です…

  • Catry, I., Amano, T., Franco, A.M.A. and Sutherland, W.J. (in press) Influence of spatial and temporal dynamics of agricultural practices on the globally endangered lesser kestrel. Journal of Applied Ecology.

ケンブリッジの前回滞在時に博士学生と始めた行動ベースモデルを用いた研究。調査手伝いにも行ったポルトガルのヒメチョウゲンボウに農業活動が与える影響を評価した思い入れある論文です。

  • 天野達也(印刷中)鳥類個体群の時空間動態を明らかにする包括的アプローチ.日本鳥学会誌.

黒田賞受賞講演をベースとした総説です。個体群の時空間動態を理解するための、行動生態学・景観生態学・マクロ生態学をベースとした研究アプローチを紹介しています。