新学期

tatsuamano2011-10-16

誰か知らんけど、いかんせん自由すぎるだろうと思う本日のできごと…
10月から新学期が始まり、大学も街も学生で溢れかえっています。ケンブリッジの学生は、1年生をIA、二年生をIB、最終年度の三年生をIIと言い、IIではAとかBとかどこいっちゃったんだという感じなのですが、それぞれがカリキュラムに基づいて講義や実習などを受けています。カリキュラムを見ると、教授一人あたり講義は一学期で平均2コマのようです。しかもほとんどの人が3年前とほぼ同じタイトル…面白そうなのは聞きに行ってみようかと思っています。
学部三年生は個別に研究室を選択して実習のようなことも行うようです。とある学部生が研究室訪問してきた際に呼ばれて話す機会があったのですが、担当教授から簡単にできるテーマを与えられ、それを二週間ほどかけてこなしていくようです。与えられるテーマは、学生実習のためにわざわざ作ったものというよりは、研究室で行っているプロジェクトの一環として受入れ側にもメリットがあるようなもので、一つの論文にもなりそうなテーマでした。学部生と研究室の関わりとしてはもう一つsupervisionという独特の仕組みがあるのですが、これが何度説明を聞いてもよくわからない…また紹介できる日がくることと思います。
所属しているConservation Science Groupでは水曜午後に約1時間、ラボランチというセミナーを行っています。通常は誰かが研究計画・報告を簡単に話すのですが、学期の始めなどは話す人がいないこともしばしばで、そうすると驚くべきことに「フリーディスカッション」を行います。
最近読んだ論文、起こった出来事、学会やワークショップで感じたことなど、堅いことから柔らかいことまで誰からともなくいろいろな話題が出て、それについて自然と意見の交換が始まります。例えば先週の話題で覚えている限りでは、分類学者の減少、種の分類・定義が保全対策に及ぼす影響、DNAバーコーディングの保全への応用、政策決定者の科学的証拠に対する態度、環境政策においてhazardを重視する大陸ヨーロッパとriskを重視するイギリス、過去10年に生態学が成し遂げた発見…等々。
保全の研究室ということもあると思いますが、自分達の研究のより細かい具体的な部分は別の時間に個人的に議論をし、多くの人が集まるラボランチでは自分の考えや哲学を共有するような議論が多いように感じます。
多様性保全の研究を行っていて、ヨーロッパの学界から多くを吸収したいと思う身にとっては、そこから学べることは山ほどあります。一言も聞き漏らすまいと必死なのですが、やはり英語が理解しきれないことも多々あります。大人になるまで日本で育った自分にとって英語の勉強はいくらしてもし足りない、日々勉強だと実感させられる毎日です。
最後に、前回にも関連してハリーポッターの作者、J.K. Rowlingのハーバードでのスピーチを教えてもらいました。これがまた素晴らしいスピーチ…言うのも選ぶのもやぼですが個人的に一番感動的だったのは、
We do not need magic to change the world, we carry all the power we need inside ourselves already.
というところでした。
スピーチ和訳
スピーチ動画