スタート

tatsuamano2012-04-08

だいぶ久しぶりの更新となってしまいました。
ケンブリッジでは花が咲き乱れ鳥も囀りすっかり春、と思いきや、急に冷えたり、また暖かくなったりを繰り返す毎日です。
2〜3月は帰国していたこともあって、あっという間に過ぎてしまった気がします。
2月の帰国時には、台湾、中国、インドネシアのデータをもった研究者や学生と一同に会して共同研究の作業を行うという貴重な経験を積むことができました。多くの人が集まって短い期間中に何とか結果を出そうとかなりバタバタしていましたので、東大の研究室の学生さんにはだいぶ迷惑をかけてしまった気もしますが…ヨーロッパ諸国での研究コミュニケ−ションの濃さには常々感心していましたので、東・東南アジアでも少しずつそんなネットワークを作っていきたいと思っていました。その点、去年の夏に機会をもらって台湾・韓国を訪問してきっかけを作り、今回こうやって共同研究を始めることができたのは、とても貴重なスタートになったのではないかと思います。今やそれぞれ自分の家でのそれぞれの日常へ戻っている訳ですが、将来のためにも必ず形にしたい仕事のひとつです(というかそれが求められてもいます…)。
3月の帰国時には恩師の最終講義・記念パーティーに参加することができました。学生時代から大変お世話になってきたのみならず、研究者が一つの区切りを迎えるという瞬間に立ち会わせていただき、貴重な経験をさせていただいたことにも感謝しています。先生の研究生活を振り返った文章はこちらもご覧ください。この日は研究室のOB・OGも大勢集まり、とても楽しい一日となりました。
また例年通り、生態学会にも参加しました。相変わらずの大きな大会で、思った以上に人に会うのは難しいですね…それでも多くの方々に久しぶりに会うことができました。自分に関する発表としてはまず、市民調査を如何にして生物多様性評価や政策決定につなげるかをテーマとした自由集会で、これまでの取組みを紹介しました。今回の集会の意義は、市民調査から得られるデータの量・質の向上、そのデータを研究者がどう活かすのか、ターゲットとなる評価や政策は何なのか、市民調査へのフィードバックは、といった問題提起に近いものだったと思います。浮き彫りになった問題を更に整理し、解消していくためには、今回の集会を起点として具体的な行動につなげていくことが重要になるでしょう。個人的には、もっと意識的にヨーロッパでの取組みも勉強していきたいと思います。最近の関連したビルの取組み(近い将来にある政策決定機のリストアップ:pdfファイルです)についてはこちらもご覧ください。
口頭発表では以前ブログでも紹介した通り、世界規模でのデータ収集における言語・地理・経済的障壁についての結果を発表しました。最終日ということもあって思ったより人が少なかったのは残念でしたが、おかげで聴きに来ていただいた方々の顔はとてもよく見えました(笑)。どうもありがとうございました。また質問への回答が相変わらずグダグダで反省しきりです…日本からイギリスに来ているという立場を活かして、こんな取組みも是非続けていきたいと思っています。
さて4月です。こちらでは今週末はイースター休暇で、ひっそりとした雰囲気です。日本では桜も満開の頃でしょうか。新年度から新しい環境でチャレンジを始める方も多いことと思います。自分も気持ちを新たに多くのことに取組んでいきたいと思っています。
新たに海外に出てチャレンジする人の話も最近特に聞く機会が多くありました。そんな方は是非牧野さんのブログポストをご参考に。あまりにも共感できすぎて驚きました。You tooが言えた時の気持ちよさと言ったら…それはもう…。英語が苦手な日本人は、ネイティブやそれと同レベルに英語を扱える人に対していろいろと不利であることは間違いありません。ただ、たった一言、You tooと言えた時の爽快感、そんなコミュニケ−ションに基づいた研究が達成された時の充実感を味わうと、英語ができないことで人間として得られていることも大きいんだなと、思ったりしています。